科学、アインシュタイン、神
科学者の宗教感覚は、自然法則の調和に対して感じる至福の驚きという形をとる。それは、途方もなく高度な知性が存在することの証であり、それに比べれば、人間の体系的な思考や行動など、その知性のちっぽけな投影にすぎない。その感覚こそ科学者の人生と仕事を導く指針である。・・・・その感覚が、あらゆる時代を通じて宗教の天才たちを虜にしたものと酷似していることは疑う余地がない
アルベルト・アインシュタイン、「わが世界観」、1934年
科学における同時性
ニュートンとライプニッツが微積分法を同時に発見したことを考えれば、科学の分野では、なぜ別々に研究している人々が同時に同じ発見をすることが多いのかと不思議になる。たとえば、チャールズ・ダーヴィンとアルフレッド・ヴォレスは、それぞれ独自に進化論を考えた。1858年、ダーヴィンは、ヴォレスと同時に提出した論文で自説を発表した。ヴォレスも、ダーヴィンと同じ自然淘汰説を唱えた博物学者である。
数学者ヤノシュ・ボヤイとニコライ・ロバチェフスキーが双曲幾何学をそれぞれ独自に、しかも同時に創始したのも同時性を示す例だ。このように同時に発見が行われる理由として最も可能性が高いのは、それまでに人類が蓄積した知識があるレベルに達していて、その発見が行われるための機が熟していたというものだ。一方で、そのような偶然の一致にはもっと深い意味があるとする神秘主義者もいる。オーストラリアの生物学者パウル・カンメラーはこう書いている。
ここにきて浮かび上がるのは、常にかき混ぜられ、並べれらるにもかかわらず、似たものどうしを結びつける働きもあるモザイクの世界や万華鏡の宇宙というイメージだ。
カンメラーは、世界のさまざまな事象を、一見するとそれぞれが独立して互いに何の関係もないように見える海の波頭にたとえている。物議をかもした彼の説が正しいとすれば、私たちには波頭しか見えないが、海面下では、不思議な力で世界の事象を結びつけ、それらの事象をひとつにまとめる、ある種の共時性メカニズムが働いているのかもしれない。
ブレーズ・パスカル (1623〜1662)
私はイエス・キリストと私を導いてくださる霊的指導者に絶対服従します。
地上での試練の一日は私にとって永遠の歓喜となりました。
私はあなたの御言葉を決して忘れません。アーメン
アイザック・ニュートン
イギリスの数学者、物理学者、天文学者であり、微積分法の共同発明者であり、万有引力の法則を発見したことで名高い。予言を中心とする聖書の題材に関する著作も多い。
ニュートンが、科学や数学の論文の著者として認知されていたのと同様に、神学の論文の著者としても認知されることを望んでいた創造説論者でったことは、おそらくあまり知られていないだろう。ニュートンは三位一体説に対抗するキリスト教の単一性を信じていた。彼は運動を説明する手段として、微積分法を開発したが、自然と実在をより明確に理解することを通じて紙の本質を理解することも、おそらく微積分法を開発した目的だったのだろう。ニュートンは聖書に敬意を払っており、聖書に記されている天地創造の説明を受け入れていた。