神は存在する。それが証拠に数学には矛盾がない。悪魔も存在する。それが証拠に我々は数学の無矛盾生を証明できない *タイトル画像は六本木ヒルズからの夜景。。。。

1ページの紙で立証した神の存在

1970年のある日、クルト・ゲーデルによる神の存在の数学的証明が同僚の間で回覧に付された。その証明は1ページにも満たないものだったが、大変な物議をかもした。

ゲーデルによる神の存在の数学的証明
  • 公理1: (2項対立) ある性質は、その性質の否定が否定的である場合にのみ肯定的である。
  • 公理2: (閉包) ある性質に必然的に肯定的性質が含まれていれば、その性質は肯定的である。
  • 定理1: 肯定的性質は論理的に無矛盾である(何らかの具体例を持っている可能性がある)。
  • 定義: あるものがすべての肯定的性質を持っている場合に限り、そのものは神性である。
  • 公理3:神性であることは肯定的性質である。
  • 公理4:肯定的性質であることは(論理的であり、従って)必然的である。
  • 定義:性質Pは、xがPを備えており、かつPが必然的に極小である場合にのみ、xの本質である。
  • 定理2:xが神性であれば、神性であることはxの本質である。
  • 定義:NE (x):xは、それが本質的な性質を持っていれば、必然的に存在する。
  • 公理5:NEであることは神性である。
  • 定理3:xが神性であるような何らかのxが必然的に存在する。
私はこの証明をハオ・ワンの「ゲーデル再考」(Cambridge, Mass. : MIT Press, 1987)で知った。このような抽象的な証明の妥当性をどうやって判断すればよいのだろうか。この証明は深い思索の結果なのか、あるいは狂人のたわごとなのか。ゲーデルが優れた学問的業績を残したことを思い出してほしい。たとえば、彼は1930年以降、ウィーン大学で講師を務め、数学者として尊敬を集めた。1940年にはアメリカに移住し、ニュージャージー州プリンストン高等研究所で教授を務めている。