神は存在する。それが証拠に数学には矛盾がない。悪魔も存在する。それが証拠に我々は数学の無矛盾生を証明できない *タイトル画像は六本木ヒルズからの夜景。。。。

1ステップで神の存在を証明したオイラー

数え切れないくらい多くの数学関係の本に、数学者レオンハレト・オイラーとフランスの百科全書派哲学者ドゥニ・ディドロの対決の話が載っている。その話によれば、筋金入りの無心論者であるディドロが、信心深いオイラーに「神の存在を数学的に証明せよ」と迫ったという。オイラーはこう答えた。

f:id:kaorutoy:20141203003606j:plain故に神は存在します。何か反論があればどうぞ!」

オイラーは、サンクトペテルブルクで行われた公開討論会でこう発信し、神の存在の単純な代数的証明で不可知論者のディドロを窮地に追い込んだ。この答えを恐れをなしたディドロ、その場から逃げ出したという。オイラーはこの種の議論がいかに下がらないかを示すために、わざわざこんなことを言ったのだろうか。

現在は、このような対決があったことを示す証拠がほとんどないことがわかっている。ダーク・J・ストルイクの A Concise History of Mathematicsの第3版(ニューヨーク、Dover、1967年、p.129)によれば、ディドロは数学に精通していたので、この程度の数式に恐れをなすことはなかっただろうし、オイラーもそんなくだらないことを言うタイプの人物ではなかったという。当時の人々が神の単純な数学的証明を求めていたことは確かだが、「オイラーとディドロの対決」はおそらくイギリスの数学者ド・モルガンの作り話だろう。